夫婦の倦怠期の乗り越え方。気持ちが冷めた夫が「行動から」やったこと
「乗り越え方」を調べても響かない理由
ネットで「夫婦の倦怠期の乗り越え方」を調べると、よくこんなアドバイスが出てきます。 「日頃の感謝を言葉にしよう」 「しっかり対話する時間を作ろう」 「二人で新しい体験をして刺激を得よう」
どれも正論です。しかし、結婚して数年で訪れる倦怠期(くわしくは何年目に来るのかに書きました)を目の前にした当時の私には、まったく響きませんでした。
なぜなら、そうしたアドバイスはすべて「相手への愛情がまだ残っていて、関係を良くしたい」と前向きに思える人を前提に書かれているからです。
私の場合は違いました。結婚6年目のある時期、妻への気持ちが完全に冷めていました。 妻が女性というより、自分の親や兄弟と同じような「家族」というカテゴリに入ってしまった感覚です。妻を愛せない罪悪感を抱えつつも、女性として見ることはできなくなっていました。
感謝や対話をしようにも、そもそもそのための「気持ち(やる気)」が湧かない。だからこそ困っているのに、一般論を押し付けられても途方に暮れるだけでした。
発想を変える:気持ちを戻すのではない、行動から入る
気持ちが冷めた状態で「もう一度愛そう」と努力するのは、かなりのエネルギーが要ります。私はそのやり方を早々に諦めました。 代わりに、感情の回復を待つのではなく、まず自分の「行動」だけを変えることにしました。
「愛情がないのに、夫婦を続ける意味があるのか」と悩むこともありました。愛情がなくてもやっていけるかという問いは、冷めた夫にとって重いテーマです。 それでも私が夫婦を続けると決めたのは、ある意味で前向きな打算があったからです。 「もし一人になったら、自分は生きていく意味を見失うのではないか」 「もともと物欲や出世欲が薄い自分が、今も仕事を頑張れているのは、この家族がいるからだ」
そう自覚したとき、「好きだから続ける」のではなく「続けると決めたから動く」という覚悟が決まりました。妻の出方や自分の感情がどうあれ、まず自分から行動を起こす。その方が、結果的に自分自身が生きやすくなると考えたからです。
夫の側から、今日から動かせること
愛情というエンジンの代わりに、「いい夫の演技」というモーターを使って動くことにしました。妻が望む理想の夫を演じ、進んで家事もやる。そう割り切ってから、以下の4つの具体策を実践しました。これらは気持ちの有無に関わらず、今日からでも始められます。
子どもが寝た後の「15分お茶タイム」
子どもを寝かせた後、スマホを置いて、二人でお茶を飲む時間を強制的に作りました。最初は会話が弾まず、気まずい沈黙が流れます。しかし、そのまま2週間ほど続けると、その沈黙にも慣れ、ポツポツと世間話ができるようになりました。
業務連絡はLINEと「週1回の定例会議」に隔離
予定の確認やお金の話、家の用事といった「業務連絡」は、普段の対面会話から徹底的に排除しました。これらはすべてLINEで済ませるか、週に1回、15分だけ設けた「夫婦の定例会議」でまとめて処理するようにしました。対面で顔を合わせる時間を業務連絡で埋めないことで、日常の会話に少しだけ余裕が生まれました。
月に1回、妻を一人にする
月に1回、私が子どもたちを連れ出して外出し、妻が自宅で完全に一人になれる時間を作りました。これは「妻に感謝されて、結果的に会話が増えればいいな」という私の打算も含まれています。実際、妻からは非常に感謝され、家庭内の空気が和らぎました。
二人とも未経験の新しい話題を取り入れる
会話がない状態を打破するために、共通の新しい話題を探しました。我が家の場合は、二人とも見たことがなかった深夜の韓国ドラマでした。偶然見始めたそのドラマがきっかけで、「次の展開、どうなると思う?」という会話が生まれました。こうしたたわいもない会話は、実に9年ぶりのことでした。
やって逆効果だったこと
行動を変える中で、いくつか失敗もありました。
特に良くなかったのは、「妻の態度を変えようとする」ことです。こちらの行動が変わったのだから、妻もそれに応えて優しくなるべきだ、という期待を抱くと失敗します。相手の反応をコントロールしようとすると、思い通りにならないことに勝手に腹が立ち、結局元の冷え切った空気へ逆戻りしてしまいました。
動かせるのは、あくまで「自分の行動」だけです。見返りを求めず、淡々と自分の行動を続けることが重要でした。
「戻る部分」と「戻らない部分」を分けて考える
これらの行動を続けた結果、約半年で日常の会話は戻り、リビングの空気は明らかに柔らかくなりました。
しかし、すべてが元通りになったわけではありません。 倦怠期の初期、結婚6年目に最初に崩れたのは寝室でした。お互いに求めず、求められず。やがて妻を抱きたくないという状態になり、セックスレスへと繋がっていきました(寝室を分けるという選択についても別に書いています)。
この寝室のレスという冷めた現実については、今も解消されていません。
一度だけ、具体的な提案を添えて寝室を一緒にしようと妻に頼んだことがあります。しかしやんわりと断られ、それ以来、私からも言い出せていない状態です。
会話は戻ったけれど、夫婦としてのスキンシップは戻らない。 これが我が家のリアルな現状です。それでも私は、「会話が戻っただけでも、十分に居心地は良くなった」と捉えています。すべてを完璧に戻そうとせず、戻らない部分はそのままにして、お互いに過ごしやすい距離感を保ち続ける。それも一つの乗り越え方だと、今は思っています。
それでも一人ではどうにもならないと感じたら
ここまで書いてきたことは、あくまで私の体験談です。 もし、自分一人の行動や努力だけではどうしても関係が改善しない、あるいは精神的に限界を感じているのであれば、夫婦だけで抱え込まずに、第三者のカウンセリングなどのサポートを受ける選択肢もあります。カウンセリングに抵抗がある人は、行きたくない夫が調べたことも読んでみてください。
まずは感情を元に戻そうと焦らず、今日できる小さな行動から一つだけ試してみてください。完璧なラブラブに戻らなくても、日々の暮らしやすさを取り戻すことは十分に可能です。