倦怠期で離婚を考え始めた夫へ。「倦怠期か、終わりか」を見分ける質問と、動く前の準備

結婚7年目の冬、スマホのメモに「離婚 流れ」と打った夜がある。結局そのメモは消したが、あの時期に知りたかったことを、いま整理して書きます。

先に断っておくと、自分は弁護士ではないので、法的手続きの解説はしません(それは弁護士サイトが山ほどある)。ここに書くのは手前の話、つまり「これは倦怠期だから待つべきなのか、終わりだから動くべきなのか」をどう見分けるかです。検索すると、この一番知りたい部分に答える記事がなぜか存在しない。

「倦怠期で離婚」は早計なのか

よくある回答は「倦怠期での離婚は早まるな」。半分は同意する。何年目に来るかの記事に書いた通り、倦怠期はある程度どの夫婦にも来る仕様で、仕様への対処が離婚というのは過剰反応になり得る。

ただ、「倦怠期だと思っていたものが実は終わりだった」というケースも確実に存在する。全部を「待てば直る」で塗りつぶすのは、それはそれで無責任だと思う。問題は見分け方です。

「倦怠期」と「終わり」を見分ける5つの質問

自分が離婚を考えていた時期に、実際に自分へ問うた質問。紙に書いて答えることを勧めます。

1. 相手に敵意・軽蔑があるか

冷めている(感情が動かない)だけなら倦怠期の範囲。話し方や箸の持ち方にまで嫌悪が湧く、人として見下している、なら相当深い。愛情のない夫婦の記事に書いたが、無関心はセーフ、軽蔑はアウトというのが自分の基準。

2. 「直ったら続けたいか」と聞かれて、即答できるか

「もし明日から会話が戻り、関係が改善したら、この結婚を続けたいか?」。YESなら、あなたが終わらせたいのは結婚ではなく現状。NOなら、改善努力の話ではもうない。自分はここでYESが出たので、離婚ではなく運用改善に舵を切った。

3. 嫌なのは「妻」か、「生活」か

激務、寝不足、金の不安。生活全体が灰色のとき、一番近くにいる人が灰色の原因に見える。転職や休養で生活側を直したら妻への感情も変わった、という例は珍しくない(自分も一部これだった)。

4. 我慢しているのは自分だけだと思っていないか

そう思っているなら、妻側にも同じ画面が見えている可能性が高い。お互いに「我慢しているのは自分」と思っている夫婦は、実は対称で、まだ話し合いの余地がある。

5. 子ども・金・世間体「しか」理由が残っていないか

続ける理由を書き出して、相手自身に関する項目がゼロなら、それは契約継続の判断であって関係の判断ではなくなっている。それでも続ける選択はあり得る(うちは一時期そうだった)が、自覚して選ぶのとズルズル行くのは別物。

5つ全部が「終わり」側に振れていて、しかも1年以上動いていないなら、倦怠期という言葉で自分をごまかしている可能性を疑ったほうがいい。

離婚を選択肢に入れた瞬間にやるべきこと(離婚しない場合でも)

メモに「離婚 流れ」と打った夜から学んだこと。検討と決断は別の作業で、検討には準備がいる。

このプロセスをやって、自分は「今は離婚しない」に着地した。皮肉なことに、離婚を具体的に検討したことで、続ける選択に初めて納得感が出た。漠然と続けるのと、比較して選んで続けるのは、毎日の気分が違う。

後悔の話

離婚経験者100名へのアンケート調査(株式会社カケコムが2020年に公表)では、離婚を後悔していると答えた人は15%で、85%は後悔していないという結果だった。迷った理由の1位は「子どもへの影響」、決断した理由の上位は「夫婦としての将来が見えなくなった」。

この数字をどう読むかは人によると思う。自分は「離婚した人の多くは後悔していない。ただしそれは、迷い抜いた末に決断した人の母集団だ」と読んだ。雑に決めた人の後悔率ではない。だから、いま迷って検討しているこの時間は無駄ではない、ということにしておく。

倦怠期側に賭けるなら

見分けの結果「まだ倦怠期側だ」となったら、打ち手は地味です。何年目の記事愛情は戻るのかの記事に書いたので繰り返さないが、要点だけ言うと、会話が発生する構造を作る・自分の消耗を直す・感情を目標にしない、の3つ。

それと、夫婦カウンセリングという中間オプションは、離婚検討の段階でこそ価値があると思う。「修復のため」ではなく「決断の質を上げるため」に第三者を入れる使い方。うちはまだ使っていないが、次に大きく崩れたら使うと決めている。


「倦怠期か、終わりか」。この問いに一人で答えを出そうとして3年かかった人間からの助言は、紙に書け、数字を見ろ、一人で抱えるな、の3つです。夜中の頭の中は、裁判官として信用できない。