妻にだけ優しくできない。外ではいい人なのに、家で素っ気なくなる夫へ
外ではいい人なのに、妻にだけ素っ気なくなる
職場の同僚や友人、あるいは近所の人には笑顔で愛想よくふるまえる。 それなのに、家に帰って妻と顔を合わせた途端、言葉も態度も素っ気なくなってしまう。
このような自分の態度に悩んでいませんか。 「なぜ一番身近な存在である妻にだけ、優しくできないのか」と、自己嫌悪に陥る夫は少なくありません。嫌いになったわけではないのに、どうしても優しい態度を取ることができない。話しかけられても、事務的な返事しか返せない。そんな自分の冷たさに、自分自身で戸惑ってしまいます。
なぜ妻にだけ優しくできないのか
妻にだけ冷たくなってしまう原因は、相手への感情の変化にあります。
結婚して数年が経ち、妻が一人の女性ではなく、自分の親や兄弟と同じような「家族」というカテゴリに入ってしまうことがあります。これが「家族化」です。関係が落ち着いた証拠とも言えますが、同時に、相手を異性として見る感覚は薄れていきます。
この家族化が進むと、相手に対する特別な感情やときめきが失われます。結果として、かつてのように自然と優しい言葉をかけたり、気遣いを見せたりする心の余裕がなくなってしまうのです。
また、家庭内での会話が、子育ての分担や予定の確認といった「業務連絡」ばかりになることも原因です。会話が事務的になると、態度も自然とビジネスライクになり、冷淡な印象を与えやすくなります。
なお、もし自分の素っ気なさが、相手をコントロールするための無視や暴言、威圧的な態度になっている自覚がある場合は、単なる「態度の癖」ではなくモラハラの領域に入ります。その場合は自己流での解決を目指さず、専門の相談窓口や専門家に相談してください。
「優しくしよう」と思っても出てこない理由
優しくしたいという気持ちはあるのに、いざ妻を前にすると言葉が出てこない。 その理由は、私たちの「優しさ」という感情の引き出しが空になっているからです。
感情が冷めてしまっている状態で、「妻を愛そう」「優しく接しよう」と心の中で念じても、湧き上がってくるものはありません。感情というエンジンが動いていないのに、車を前に進めようとするようなものです。
私は普段、妻が望む理想の夫を演じるように意識しています。 進んで家事を行うことはできます。しかし、言葉や態度で優しさを見せる演技は、家事のような物理的な行動よりもはるかに難しく、感情が伴わないと不自然になりがちです。
ここで感情が戻るのを待っていても、関係は平行線のままです。感情を無理に変えようとするのではなく、別のアプローチが必要になります。
もし、妻に対して素っ気なく接してしまうのを通り越して、顔を見るだけで強いイライラを感じてしまう場合は、態度の問題ではなく感情の噴出かもしれません。その場合は、こちらの妻にイライラする原因を整理した記事を読んでみてください。
情を待たず、態度から先に直す
感情の回復を待つのではなく、まず「態度」という目に見える形から先に変える。これが、私が試したなかで最も効果があった方法です。 感情が冷めていても、行動から動かしていくアプローチは、夫婦関係を維持するうえでの総論である倦怠期の乗り越え方でも詳しく解説しています。
今日からできる具体的な工夫は2つあります。
業務連絡にねぎらいを一つ添える
事務的な会話になりがちな日常に、形式的な一言を加えます。 例えば、予定を確認するLINEを送るとき、最後に「いつもありがとう」と付け足すだけです。感情がこもっていなくても構いません。言葉という形から先に出すことで、事務的なトゲを消せます。かつて私も感謝の言葉が言えなくなっていた時期がありましたが、こちらの「ありがとう」が言えなくなった話にあるように、まずは形式から入ることで、少しずつ言葉が出るようになりました。
会話の環境を整えて接触時間を増やす
態度は、お互いの物理的な距離感や環境によって変化します。 私は子どもが寝た後の夜に、スマホを置いて15分だけ二人でお茶を飲む時間を作りました。最初は気まずく、素っ気ない態度しか取れませんでしたが、その環境に慣れていくにつれて、不要なトゲや気まずさは減っていきました。
また、妻が不機嫌そうにしていると、ついこちらも素っ気ない態度で返してしまいがちです。そのような場面での振る舞いについては、こちらの妻の不機嫌への対処法を参考にしてください。
完全な優しさは戻らない。微調整を続ける
感情が冷めてしまった以上、新婚の頃のような心からの優しい態度に戻ることはないかもしれません。 それを目標にすると、達成できない自分に疲れてしまいます。
目指すべきなのは、「昔のように愛すること」ではなく、「今ある素っ気なさを少しだけ減らすこと」です。
感情は冷めたままであっても、言葉遣いを少し丁寧にする、返事のトーンを少しだけ上げる、といった形式的な態度の変化は自分の意志で実行できます。 演技であっても、トゲのない態度が相手に届けば、家庭内の余計な摩擦は防げます。
自分が納得できる範囲で、できる部分から態度を変えていく。 すべてを元通りにしようと焦らず、まずは次の返事を少し柔らかくすることから始めてみてください。